AWS LambdaとAPI Gatewayを使用したサーバーレスアーキテクチャの構築

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はじめに

サーバーレスアーキテクチャは、インフラストラクチャの管理負担を減らし、スケーラビリティを向上させるための優れた手法です。AWS LambdaとAPI Gatewayを組み合わせることで、完全なサーバーレスアプリケーションを構築できます。この記事では、具体的なステップを通してサーバーレスアーキテクチャの構築方法を解説します。

1. サーバーレスアーキテクチャの概念

サーバーレスアーキテクチャでは、開発者はコードのビジネスロジックに集中し、インフラストラクチャの管理はクラウドプロバイダに任せます。これにより、スケーラビリティ、コスト効率、運用負担の軽減など多くの利点があります。

2. AWS Lambdaの基本

AWS Lambdaは、イベント駆動型のコンピューティングサービスで、コードを実行するためにサーバーをプロビジョニングする必要がありません。主要な概念としては、以下があります。

  • 関数: 実行するコード
  • トリガー: 関数を呼び出すイベント(例:S3のイベント、API Gatewayリクエスト)
  • ランタイム: 実行環境(例:Node.js、Python、Java)
Lambda関数の作成と設定
  1. AWS Management ConsoleでLambdaサービスに移動
  2. 「関数の作成」をクリック
  3. 関数名とランタイムを選択し、「関数の作成」をクリック
  4. コードエディタに関数コードを入力し、保存
ハンドラ関数の例(Node.js)
exports.handler = async (event) => {
    const response = {
        statusCode: 200,
        body: JSON.stringify('Hello from Lambda!'),
    };
    return response;
};

3. API Gatewayの設定

API Gatewayは、APIを作成、公開、管理するためのサービスです。Lambda関数と統合してRESTful APIを提供することができます。

APIの作成と設定
  1. AWS Management ConsoleでAPI Gatewayサービスに移動
  2. 「APIの作成」をクリックし、REST APIを選択
  3. 新しいリソースとメソッドを作成
  4. 作成したメソッドをLambda関数に統合
API Gateway設定例
aws apigateway create-rest-api --name 'MyAPI'
aws apigateway create-resource --rest-api-id <api-id> --parent-id <parent-id> --path-part 'hello'
aws apigateway put-method --rest-api-id <api-id> --resource-id <resource-id> --http-method GET --authorization-type NONE
aws apigateway put-integration --rest-api-id <api-id> --resource-id <resource-id> --http-method GET --type AWS_PROXY --integration-http-method POST --uri 'arn:aws:apigateway:<region>:lambda:path/2015-03-31/functions/<lambda-arn>/invocations'

4. サーバーレスアプリケーションのデプロイ

サーバーレスフレームワークやAWS SAM(Serverless Application Model)を使用して、サーバーレスアプリケーションのデプロイを簡素化できます。

Serverless Frameworkの例
service: my-service
provider:
  name: aws
  runtime: nodejs14.x
functions:
  hello:
    handler: handler.hello
    events:
      - http:
          path: hello
          method: get
デプロイコマンド
shコードをコピーするserverless deploy

5. 実践ユースケース

サーバーレスアーキテクチャは多様なユースケースに適用できます。以下にいくつかの例を示します。

  • シンプルなRESTful APIの構築: Lambda関数をバックエンドに持つAPIを作成
  • データベースとの連携: DynamoDBやRDSを使用したデータの永続化
  • 認証と認可: AWS Cognitoを使用したユーザー管理とセキュリティの強化

まとめ

AWS LambdaとAPI Gatewayを組み合わせることで、柔軟かつスケーラブルなサーバーレスアーキテクチャを簡単に構築できます。この記事を参考に、あなたのプロジェクトにサーバーレスアーキテクチャを取り入れてみてください。